

当院の鍼灸治療
『素直で真面目で謙虚であること』
「あそこ行けば一回で良くなる」と聞いて、「ぎっくり腰」といわれる症状でやって来られる患者様方がいます。しかしおおおよそはそうでも、たまに内容的に重篤な場合もあります。どれくらいで治りますかと言われても、たとえ明日治るものでも厳密にはいつ治ると言えるものではありません。治療以外の様々な要因が入り込んでくるからです。
最後の最後という状態で来院された患者様に、病気の回復に必要なものは三つ「素直で真面目で謙虚であることだけです」と言っています。現実を素直に認めること、真面目に取り組むこと、生きているということ総てに謙虚になるという ことです。
脳は、体全体の生理的機能の司令塔ですから、脳が疲れると体も疲れてしまいます。脳を疲れさせない考え方をすることです。当然限界というものもありますが、ストレスとして残さない考え方をすること、そこに『素直で真面目で謙虚であること』が活かされてきます。
おおらかに良き思いでいることは、体の機能を緊張なく働かせ、健康を取り戻す大きな手立てとなるのです。
病める方々を回復に繋げて行くには、心の問題、生き方、思考過程、他者との関係など多かれ少なかれカウンセリングが必要です。カウンセリングもまた必要に応じて徹底して行っています。ちょっと宣伝してみます。一応「名カウンセラー」と言われています。 (院長記)
鍼と灸
鍼

鍼の手技
鍼にも種類が色々ありますが、鍼の手技、つまり鍼を打つ方法もいろいろあります。
よく知られている方法で、鍼を体に刺入し、しばらく置いてから(置鍼と言います)抜き取る方法があります。
当院では刺入する鍼の手法で行っていますが、特殊な場合を除いてはこの置鍼の方法をとることはあり ません。
皮膚を撫でるように行う鍼、皮膚鍼(小児鍼ともいう)という方法がありますが、自律神経をよく整えます。合併症の少ない赤ちゃん、幼児、子供では、重篤な病気や症状にも皮膚鍼で高い効果を上げることができます。
また大人でも、内科的な病気にはとても有効です。飲酒による救急の症状も、この皮膚鍼を使って数秒で解決することができます。
鍼で組織の状態を知る
鍼は、体に刺入することによって、筋肉、靭帯、骨組織等の病んでいる状態、回復の程度なども、肉眼で見ているように事細かく感知することができます。そういう意味では、鍼は病気の程度を知る極めて優れた、極めて便利な治療器具であると言えます。
また極めて初期の筋肉の病気の状態を感知できることから、病気の予測、発見に繋げたりすることができます。
鍼は生体との交信
鍼の技術は「手に取るように組織の状態を感知」しながら行う「生体との交信」であるといえます。
当院では、組織の状態に合わせた独自の方法(手技)で、丁寧に時間をかけた治療を行っています。

灸
お灸は万能
重篤な病気、慢性化した病気、難病、炎症等の解決には、特にお灸(有痕灸)の力なくしては考えることができません。その大きな力に対しては、一言で言って「お灸は万能」という言葉しかありません。
灸は中枢に働きかける力が極めて大きく、後遺症も含めて、中枢に関係する病気の治療に大変有効です。また、灸は、異常の内容によっては中枢からの反射を引き出せることもあり、疾病の状態、回復の状態も確認することができます。
灸は白血球を増幅させることもあり、様々な炎症の解決役立ちます。その助けをかりて怪我などによる創傷、腫脹、内出血、打撲痛など素早く解決していきます。
感動の生体の持つ回復力
灸の適応するところは限りがありませんが、これはまた灸によって引き出された「本来持っている生体の回復の力、生体の本来の機能」ということでもあるのです。この引き出された生体の力の凄さには、感動せずにはおれません。
お灸は体と仲良し
お灸は鍼より中枢に働きかける力が大きい。炎症にも強い。お灸は万能。それは何故でしょうか。
体温を持つ温血動物の人間にとっては、お灸はお仲間の「熱」だから???
怪しい答えですが、お灸と体は熱同士、親和性が高いのだとは思っています。
お灸のすすめ
昔から、お灸は根(病気の)を断つと言われています。
敬愛する父上は、お灸は糸ほどの大きさを一箇所に一つずつで有効ということを発見しました。糸ほどのお灸は、赤ちゃんや幼児にもできます。この灸は、長期に続けても痕方はすっかり消えてしまいます。
お灸は、与えられた神の知恵です。お灸をおすすめします。
お灸で焼き殺す???
結核や脊髄カリエスの回復に導いてきた父は子供の私に「お灸で結核菌を焼き殺すのではないんだよ。結核菌が棲みつくには体に棲みつきやすい条件があるんだ。その条件をなくしてやると結核菌は繁殖できなくなって治るんだよ。」と話してくれました。また、「回復後(結核の)のレントゲン写真では痕跡が残ってないので不思議がられる」とも言っていましたが、お灸による肉芽組織の再生能力にはすごいものがあります。
時間が経った傷跡がお灸で薄く綺麗になるというのも、これと同じお灸の効果です。やはりお灸は「神の知恵」。
鍼灸の効果

驚くべき即効性
鍼灸の効果はゆっくり出てくる、つまり鍼灸はゆっくり効くのだと思われているとしたらそうではありません。鍼、灸ともほんの数秒で回復へ向けた変化をもたらすことができるのです。
症状によっては、危険な状態から安全な状態に短時間で引き戻せるのです。この即効的効果は、鍼灸によってもたらされた「生体が本来持っている回復の力」であるとも言えるでしょう。
この大きな力を重ねて、重症化、あるいは慢性化した病気を治していくのです。
驚くべきデトックス性
治療薬、農薬、添加物、サプリメントその他、様々な薬物や老廃物は、代謝の落ちた体に蓄積されていたりします。また何らかの理由で薬物中毒に陥ることもあります。鍼灸治療はこれらのデトックスに、驚くべき効果をあげることができます。
鍼灸治療を始め、体の機能が整いだすと、体内に残された薬物等のデトックスが始まります。皮脂腺、便、尿、呼吸、涙、痰などに日常とは違う色、臭い、粘稠度などに変化が起こります。単純には、汚いものが出てきます。
これは「生体が、異物と認めたものの排泄を始める」ということですが、鍼灸治療の主たる効果のひとつでもあるのです。
デトックス効果が進んでくると、皮脂腺や口中から排泄された薬物の匂いが顕著になったり、汚い痰や鼻汁が増えたり、尿に色がついたり、泡だったり、下痢が起きたりします。サプリメントの粘稠度の高い油分や色素が、背部(胸椎のあたり)から排泄されてきたこともあります。これらは必要な期間、排泄され続けることになります。
薬物中毒の治療では、治療者は、呼吸、皮脂腺等から、排泄され揮発した薬物を吸入することによって、それなりの薬物被害を受けることがあります。(対策として防毒マスクの必要があります)
また、高くなった排泄能力で、一次的に検査機能の数値が上がることがあり注意を要します(病態の悪化と誤解する)。
体をデトックスして更地のようにしていくことは、病気を回復させるにあたって最も大切なことです。デトックスによって、何にも邪魔されない生体本来の機能を取り戻すことになるからです。デトックスは、重篤な症状を回復へ持っていく必須条件であると言えます。鍼灸による回復反応はここに起因していることも多いのです。
驚くべきアンチエージング力
鍼灸の治療では、見た目が十歳以上若く見えるようになったりするのはごく普通のことです。
鍼は体の緊張を解き、循環を良くし、神経のバランスを整え、体の機能の安定をはかります。灸(有痕灸)は若返りに必要な良性蛋白質を作り、白血球を増やし、炎症を良く治め、肉芽組織の驚くべき生成を行い(数十年経ったやけどのケロイドが正常な皮膚に変化したこともある)、臓器の働きを正常化していきます。また一方では、デトックスが行われます。
こうした鍼灸の働きで、健康を取り戻した体は、「ピチピチと活性化した、形の整った細胞の集合体」であるといえます。
整った細胞で作られた肌は透明感を帯び絹のように滑らかに、体の部分や全体の形状も美しく、本来の年齢よりはるかに若く見えます。この見た目の若さは、本当の肉体の年齢だと思っています。
鍼灸が引き出す専門的力
鍼灸の治療では、局所の病変の解決に対して、全身の機能を高めて対応することができます。局所の病変を前身の機能の力で解決するということです。
一つの臓器が病に侵されたことで弱ってしまった体に、その他の臓器の力を整えることで体に活力を与えることができます。同時に、疾病による様々な緊張を緩解し、より順調な血液の流れを確保することができます。つまり、病んで弱った体に力を与え、全身の機能のちからを回復の態勢に振り向けるということです。しかも、健康時の通常の力の大きさではなく、それを超えた回復に見合った大きな力、「火事場の馬鹿力のような力で。
そして、引き出された全身の機能の力は、病んでいるところに対して的確に働いていきます。誰がするよりも専門的に。
それは炎症を回復させ得る白血球の量であったり、拮抗的ホルモンのバランスであったり、排泄が必要なものは排泄させ、再生が必要なものは再生させ、生体の総合的な機能の働きを何よりも誰よりも専門的に整えていってくれるのです。
この、生体の回復の力を引き出すのが技術の力であったとしても、その脅威的回復の力には感動を覚えます。
鍼灸による病気の回復は、この努力の継続で確実なものにできるのです。そして何よりも鍼灸による治療は、このように体の全機能に働きかける根本的治療であるということです。
鍼灸という東洋の技術 《揺るぎない歴史の重さ》
遥かなる明治
鍼灸は、少なくとも法律的立場を失うまでの明治以前は、日本においての医学でした。
昭和10年代の東洋医学の古い本を開いてみると、本来の鍼灸の姿がよくわかります。現代の内科学に当たるものですが、疾病と名のつくものは難病に至るまで、細かな分類と共に詳細な鑑別法まで網羅されています。
疾病と取り組む者がその内容と取り組むのは当然のことですが、懇切丁寧に書かれた内容は、実は全て病める患者へ向けて書かれていることが伝わってきます。この執筆中にも「難瘂固疾ノ患者ハ各地ヨリ蝟集殺到シ」とあります。「難症やなかなか治らない病気の患者が、各地から群れ集まるように押しかけ」ということです。
このような医学書を傍らに、研鑽に研鑽を重ね、病人のために真剣に奔走していたその時代の人々は、法的立場はともかく、間違いなく真の医者達であったと言えるでしょう。
戦争を知らない世代が増えてきた時代でも、明治に近い人など、まだ鍼灸の良さをわかっている方が多かったのです。それはまた、西洋医学の立場にいる方々でも同じでした。
しかし、それからまた遥かな時が過ぎ、赤ちゃんが病気になるとまずハリに行くといったような、民間に普及していた鍼灸に対する人々の認識もだんだん希薄になりました。
回復の不思議
当院に来院される方は紹介による方が多いのですが、治療法がなかったり、末期の状態になったり、なかなか回復しなかったという方々です。それまでに鍼灸を経験した方や、全く経験がなく未知への遭遇だったりする方もいます。
何故、治療法がない病気や末期の病気が、言えば「難瘂固疾」が鍼灸治療で回復していくのでしょうか。
二つのシステム
生体には、中枢という脳脊髄から末梢へ向かって張り巡らされた神経のシステムがあります。中枢から末梢へ、末梢から中枢へと刺激が伝わる伝達のシステムです。皮膚をつねると瞬時にキャッチした脳が痛いと教えてくれます。体表下にある神経の仕事は皮膚を通して知ることができます。つまり皮膚は、生体の司令塔とも言える脳の受容器だということができます。
この受容器である皮膚と皮内を通して、生体との交信を行っているのが鍼灸なのです。皮膚や皮内からの刺激は脳に伝わり、そこからまた全身の神経ラインに広がっていくと考えています。つまり鍼灸は、その丁度良い刺激(ストレス、ショック)で、生体のメカニズムに発奮を促すという技術なのです。
もう一つのシステムは、東洋医学が考えるツボと経絡のシステムです。神経のシステムが中枢から末梢へというシステムなら、これは少し違います。簡単に言えば(本当は簡単ではありません)、ツボから経絡という通路を通って、目的の臓器や病巣部に至るというシステムです。例えば手足のツボから内臓を刺激できるというシステムなのです。

見えないシステム 経絡

